入学おめでとう~それぞれのステージに立つあの子たちへの手紙~
桜の花も満開をすぎるころ、あちこちで入学式にむかう親子や学生のすがたを見るようになります。
年齢の差こそあれど、どの子もみんな緊張した顔をしています。
どんなに望んだ場所であっても、大きな期待をしていても、はじめての場所には不安もあるもの。
私も喜び全開でかけられるお祝いの言葉はありがたいと思いつつ、これから向かう先への足どりがさらに重たくなったことがありました。
だからささやかなお祝いではあっても、できるだけ和やかな気持ちになれるような言葉をえらびました。
始まってしまえばなんてことなくても、未知なる世界への不安は当然のもの。
大丈夫、みんな同じ気持ちだよ。
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小学校への入学おめでとう(6歳)
友人や親せきが撮った写真を見せてもらっても、校門の前の家族写真はカチンコチン。
無理もありません。
幼稚園や保育園と、学校とのちがいは、幼い子どもたちにとってとても高い壁のように感じられるはずです。
それでもほんのちょっとのきっかけで、緊張がとけるのもこの年齢ならでは。
お気に入りのランドセルや慣れ親しんだ生活のことならば、きっと笑顔も見れるはずです。
きみちゃん
にゅうがくおめでとうございます。
あたらしいランドセルがとてもにあっていました。
こくごのきょうかしょには、しってるおはなしあったかな?
がっこうのことやせんせいのこと、いろんなことをおしえてくださいね。
しっかりごはんをたべて、げんきでいてね。
ハナコおばちゃんより
中学校への入学おめでとう(12歳)
この年齢になるとすでに勉強なりスポーツなり、自分の得意分野もはっきりしている子がふえます。
学校生活に不安を感じることは少ないはずです。
それでも多感な年頃。
特に友人関係にはまだまだ悩みがつきものです。
あせらないでね。
大丈夫だからね。
そんな気持ちを届けます。
りえちゃん
入学おめでとうございます。
ランドセルをおろしたさびしさもつかの間、今度はあたらしい制服がとてもまぶしく見えました。
5、6年生でスピードアップしたがんばりを、また見れるといいなと思っています。
でも最初のうちは無理せずに、ゆっくりと自分のペースをつかんでくださいね。
元気がなにより。
これからも応援しています。
ハナコおばちゃんより
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高校生へのおめでとう(15歳)
「みんなが自分よりできる気がする。」
くぐり抜けたはずの受験のプレッシャーは、まだまだ彼らを苦しめます。
実はみんながそう思って不安なのに、そこに気がついておおらかに構える、なんてことはまだできない年齢です。
私が高校に入学した日、出席番号がひとつ後ろの彼女は卒業前に、「前に座ってる子、落ちついていて頭よさそうと思っていた。」と教えてくれました。
そんな彼女はストレートで東大に入学。
どんなに優秀でも、みんな最初は不安なんだと妙に納得した記憶があります。
たかし君
入学おめでとうございます。
知り合いの数もぐっと少なくなる高校への進学。
期待以上に不安も大きいかもしれません。
それでもスタートはみんな同じ。
友だちも勉強のペースも、全部これからゆっくり見つけてください。
春は疲れやすい季節です。
しっかり食べて早寝して、体を大切に、学校生活に慣れてくださいね。
また元気な顔を見れるのを楽しみにしています。
ハナコおばちゃんより
※ 高校、大学、社会人、新生活と同時にひとり暮らしを始める人たちに贈る、見送りの手紙はこちら。
ひとり暮らしを始めるあなたに贈る手紙~いつでも帰っておいでね~
大学生へのおめでとう(18歳)
進学と同時に生活もガラリと変わるタイミング。
安心だなんて書いたけど、本当は誰よりもご両親が不安なはずです。
かたや本人は、春からのバラ色の生活にうかれていることも多い時期。
楽しい気持ちに水をさすのは無粋ですが、「あなたのことをとても大切に思っている人がいることを忘れないでね。」という気持ちは伝えたい。
おせっかいな感激おばさんをよそおって、メッセージを書きました。
ヨウコちゃん
入学おめでとうございます。
あんな小さかったヨウコちゃんが一人暮らしなんてと、おばちゃんだけが勝手にオロオロしています。
ヨウコちゃんのがんばりをずっと見ていたお父さんやお母さんは、心配なんてするはずないね。
あなたがこれまでつみ重ねた努力と信頼は、家族のつながりをこんなにも強くさせたのかと、私まで幸せを感じています。
赤ちゃんの頃からずっと思ってきたように、これからもヨウコちゃんが毎日楽しくすごせるようにと祈っています。
新しい場所でもあなたらしく、元気でいてくださいね。
ハナコおばちゃんより
みんながんばれ
子どもたちの適応力はすばらしいもので、新しいことには何でも尻ごみしてしまう私とはちがい、あっという間に新しい生活に慣れてゆきます。
5月の連休が終わるころには、ケロッとした顔で元気に学校へむかう姿がみれるでしょう。
けれどやっぱり始まってすぐの生活は、慣れない場所での緊張や、新しい人間関係に想像以上に疲れてしまうもの。
世話焼きのおばあちゃんみたいですが、早寝早起き、快食快便がなにより大切な時期だと思うのです。
もうそれしかないくらいの。
私は学生のころ、そうとは気づかずにいた花粉症の影響で春になるたび気持ちが沈み、新しい生活になじめませんでした。
疲れが冷えからきているものだとわからず、初夏まで疲労を引きずりました。
尿検査は毎年再検査。
あのころの自分にアドバイスできるなら。
とにかく課題をすませて早く寝ようよ。
厚着になってもいいからあたたかくしよう。
冷たい飲み物やめたほうがいいよ。
耳鼻科に行って薬もらおう。
お味噌汁、あたたかいうちに飲もうよ。
それだけで春はもっと楽だったはずなのに。
言いたいことはたくさんあるけど。
とにかくがんばれ、新入生。
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