ケイコさんから夏の贈り物~8月18日~
ケイコさんはとても素敵な女性です。
ちゃんと聞いたことはありませんが、ハナコの母の友人なので、お年は60歳くらい。
成人し、ご結婚もされている息子さんや娘さんが3人いらっしゃるのですが、折につけハナコのことも気にかけて下さいます。
果物かと思うほど甘いトマトやトウモロコシ、クリスマスを彩る大きないちご。
ケイコさんからのプレゼントは、限られた予算で生活をやりくりすることに頭がいっぱいになりそうな時期を見計らったかのようにハナコのもとに届きます。
「おいしいものは人を幸せにしてくれるよ。」
ケイコさんの声が聞こえてくるようです。
おいしいねって笑えることがどんなに素晴らしいことか、心に余裕が生まれます。
そんなケイコさんから、今年もトウモロコシを送るね、との嬉しいメールが。
帰省や旅行の予定の入りやすい時期、生ものを送るのは難しいことです。
ですがこんな風にさらりと、それでいて受け取るハナコが困らないような聞き方をしてくれるケイコさん。
お言葉にも気持にも甘えつつ、いつかケイコさんのような女性になることで恩返しできたらいいなと思うハナコです。
いつどこに送りましょうか?~ケイコさんからのメール~
ハナコちゃん
おはようございます。
朝晩涼しくなってきました。
我が家は昨日、末の娘家族が帰って10日間あまりの下宿屋生活終わりました。
朝から洗濯機、フル活動。
もう、干すとこない!
洗濯おばさん、暫く続きます。
さて、トウモロコシを送りたいのですが、いつ頃どちらに送ればよいですか。
教えてくださーい。
ケイコ
ハナコと同世代の娘さんが、生後半年の赤ちゃん連れで帰省していたケイコさんの夏。
連日炊事に赤ちゃんのお世話にと大忙しだったはずです。
ゆっくりしたいはずのそんな時に、ハナコのことを気にかけてくれるケイコさん。
お礼の手紙にはいつかハナコも、の気持をこめます。
「届きました、ありがとう」の気持を込めた残暑見舞い
ケイコ様
こんにちは、暑い暑いと思っていたら、ほんの少し、空気に秋の気配が混じるようになりました。
体調管理も難しい時期ですが、お変わりありませんか?
今日、ケイコさんから、トウモロコシが届きました。
ずっしりと重たい箱にはしっかり太ったトウモロコシがお行儀よく並び、「今年もがんばったね!」言ってくれているようです。
楽しみなようで恐ろしくもあった夏。
子供たちが休みに入ると同時に始まった私の戦い。
数十年前に母たちも、同じように超えて来てくれたのだと思うと、私もがんばらなければと気合が入ります。
いつも、こんな風にハードな時期になると送って下さるおいしいものの数々は、ケイコさんからの愛情の贈り物。
その気持ちもパワーになっています。
ケイコさんがいるのは私にはなかなか到達できない領域。
それでもいつか指先くらいは届く日がくるはず、と信じて家事に子育てに精進しようと思います。
母から、4人目のお孫さんのお世話で奮闘されていると聞きました。
きっと新米ママよりパワフルなんだろうと想像しています。
私がそうであったように、娘さんはケイコさんのような母を誰より必要としている時期です。
お疲れに感じることもあるとは思いますが、健康にはくれぐれも気を付けて、力になってあげて下さいね。
暑さはもうしばらく続きそうです。
お体に気を付けてお過ごしくださいね。
またお会いできる日を楽しみにしています。
ハナコ
◎ 書き出し
年配の女性であることを配慮しました。
カジュアルな季節のあいさつが好きですが、今回はカジュアル過ぎないよう、少し気をつけました。
ですが自分らしさまで失う書き出しは後が続きません。
あくまでもいつも通りを丁寧に。
◎ 本文
夏の贈り物へのお礼がメインです。
物そのもの以上に、相手の気持ちが嬉しかったということを伝えました。
子育ての大変さは、ケイコさんに対する人生の先輩としての敬意に置き換えます。
◎ 締め
それなりの年齢とは言え、パワフルに活動するケイコさんが、どれだけ周囲にとって必要な存在であるかで結びました。
元気で過ごして欲しい気持ちを込めています。
季節の変わり目、お中元なども頂くことがある時期です。
以前は煩わしいと感じていた風習ですが、ある程度交流のある人とのやりとりは相手の思いの深さを感じ、感謝できるようになりました。
それもずっと気にかけ続けてくれたケイコさんがいたからです。
品物のお礼は到着後、すぐにメールをしておきたいですね。
できたら相手を思って選んだ便箋に手書きできるとすてきです。