励ましの言葉をありがとう~つらい時期、寄りそってくれた友人への手紙~

昨年末のある日、父が亡くなりました

正月を待たずしての帰省だったため、親しい友人には、葬儀と前後して父が亡くなったことを伝えました。

取り繕ったつもりはありませんでしたが、あまりにも突然のことすぎて、なんでも話せる友人にさえ、私はうまく悲しみを伝えることができませんでした。

それでも、私が助けを必要とした時、友人たちは、ちゃんといつもの場所にいてくれました。

ずっと声をかけ続けてくれた人。

いつも通りでいてくれた人。

そっと距離を開けながら、目を離さないでいてくれた人。

今でも、私の言葉を待ってくれている人。

それぞれの距離で、ずっと寄り添ってくれた大切な友達に、ありがとうの気持ちを伝えます。

 

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ずっと声をかけてくれた友人へ

ハンバートさん

父が亡くなって、もうすぐ3ヶ月がたちます。

時間のないトンネルの中にいたようなこの3ヶ月、あなたがくれた電話やメッセージの記録は、からっぽの私の中にひとつずつ、乗り越えた時間を記していくかのようでした。

あなたがわざと、いつも通りにしてくれていることは知っていました。

周りの人が気をつかって離れていく中、あなたはいつも通りを装って、ずっとそばにいてくれた。

普段より言葉の少ない私といて、息苦しくなったことだってあったはずです。

それでも私の苦しさを引き受けようとしてくれたこと、本当に感謝しています。

もう大丈夫、とは言いません。

まだ時間がかかることを、あなたは知っているだろうから。

だからまだしばらく甘えます。

支えてくれてありがとう。

あなたのおかげで、いつもと同じ毎日を手放さずにいられました。

これからも、どうかよろしくね。

ハナコ

 

いつも通りでいてくれた友人へ

ハルちゃん

明るい日差しに、春を感じる日が増えました。

先日は父の四十九日の法要も終え、季節の流れが戻ってきたような気がしています。

自分の状況もわからないままハルちゃんに帰省を知らせたあの日から、ハルちゃんとの会話の中でだけは、「今」に戻ることができていました。

子どもたちの学校のことや、近所のニュース。

ハルちゃんがいなければ、そんなこと全部忘れて、私はカラに閉じこもっていたかもしれません。

それでもハルちゃんが窓を開け、外の空気を入れてくれたおかげで、私は毎日、意味のある一日が訪れたことを感じていました。

かける言葉もないような時期でさえ、いつも通りでいてくれたこと、本当に感謝しています。

ありがとね。

私はずいぶん元気になりました。

またハルちゃんと一緒に、「いつも通りを」がんばるつもりです。

ハナコ

 

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そっと目を離さないでいてくれた友人へ

ジミニーさん

春の訪れとともに、止まっていた季節が動き出したような感じがしています。

うれしい反面、私の中にはまだどこか、冬が父を連れ去ってしまうような、心もとない気持ちがあります。

変わってしまったことと、変わらない毎日が混ざり合った3ヶ月、寒さだけは父の不在の証であるかのように、ずっとそこにありました。

けれどその寒さももう、旅立つ準備をしています。

私たちも、寒さと向きあってばかりいる必要はないということなのかもしれません。

父が亡くなって以来、私の意識は時おり深い海の底にいて、戻るべき日常ついて考えていました。

これまで通り、笑っていられるだろうかと弱気になったこともあります。

でも私が顔を出せば、きっとジミニーさんは手をのばして、私を引き上げてくれると信じていました。

そう思うことで、今はがんばれそうな気がしています。

いいえ、がんばるつもりです。

また元気に、楽しい手紙を送りますね。

ジミニーさんも元気でいて下さい。

ハナコ

 

ずっと待っていてくれる友人へ

カメちゃん

父が亡くなって3ヶ月が過ぎました。

いつもとは時間の流れ方のちがう、フワフワした頼りない3ヶ月でした。

それでもなんとか、春の気配を感じられるようにまで、私は元気になりました。

季節もなく、暗いトンネルの中を歩いているような気持ちになった時、私は昔、カメちゃんと行った京都の地主神社のことを思い出していました。

境内にある2つの石のあいだを目をとじたまま歩けたら、好きな人に思いが通じると聞いてためした、あの時のこと。

目を閉じて歩く私のそばで、カメちゃんは黙ってずっとついていてくれました。

まるで今の状況そのままに。

あの時もカメちゃんは、すぐに助けることのできる距離にいてくれた。

私の歩いていた場所は暗かったけれど、でも確かにそばにいてくれる存在に、ずっと支えられていました。

今も。

「元気でいるからね」の言葉を、何も言わずに待っていてくれてありがとう。

今回は、どうしても時間がかかりました。

それでもちゃんと笑って「元気にしてるよ」と言えるようになったのは、1人じゃないと知っていたからです。

カメちゃん、ありがとう。

私はなんとか、目標の石にたどりつけたみたいです。

だからまた、暗いところだって歩いていきます。

カメちゃんがいてくれる限り、ずっと歩いていけると思います。

ハナコ

 

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「落ち着いたら連絡するね」に続きはない

父の死は大きな衝撃だったので、私はただでさえ数少ない友人とも、疎遠になりかけていました。

元気なふりをすれば同情させてしまう。

落ちこんだらいたたまれない気持ちにさせてしまう。

私のことをよくわかっていてくれる人の前でさえ、笑っていいのか、泣いていいのかわかりませんでした。

だから最初の頃は何度か、「落ち着いたら連絡するね」と口にしました。

でもどれだけ時間がたっても、いつになったら落ち着いたと言えるのか、落ち着いたとはどんな心境を言うのか、自分でも全然わかりませんでした。

今でもわからないままです。

そんな状況の中で、ズルズルと連絡できなくなった人もたくさんいました。

どれだけ仲が良くても、今の私には、気軽に「どう?」とは言えなかったと思います。

だから大切な人には、「落ち着いたら連絡するね」とは言わないことにしました。

そばにいて欲しかったから。

「まだいろいろ考えちゃうけど、誰かと話がしたいんだ。」

「急に泣き出すような状態じゃないから、ごはん食べに行こうよ。」

その時のそのままを、素直に伝えてきました。

そんな私に、「ちょっと今は…」という友人はいませんでした。

私には「ありがとう」しか言えないけど、これまでのことも、これからも、何度も言おうと思います。

いてくれてうれしかった。

ありがとう。

 

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