春の満月、オオカミ女にご用心~友人に送る夜更けの手紙~
お見舞いの手紙を書き、母の日の感謝をつづる。
3月には卒業のメッセージをしたためたばかり。
まじめなメッセージにどっぷりつかっていたら、ふいにふざけた手紙が書きたくなりました。
思えば夜中にメッセージのやりとりをしてきた友人とは、満月はひとつのキーワード。
おたがい離れた場所で月をながめながら、メールを書いたり、お酒を飲んだり、同じテレビを見ながらあれこれおしゃべりをしたり。
そんなやりとりはいつも、言葉遊びだったり、冗談の言いあいだったり、ふざけたもの。
けれど散々遊んだあとのベッドは心地よく、夢は子どものころのように楽しいものでした。
だからたまに、思いきり書きたくなるのです。
バカな手紙。
明日も元気でがんばるために。
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そろそろ化けてみましょうか
今夜は満月。
あなたは満月になると私が興奮するってバカにするけど、あなたなんて、いつも何かに狂ってます。
音信不通になったかと思えば、泥酔したまま見知らぬ場所で朝をむかえていたり。
漫画に夢中で連日夜ふかししてみたり。
「そんなひどいことばっかりしてるわけじゃないよ。」
と言うけれど、私から見ればいつもなんだかおかしな状態。
満月をみあげるたび、今夜は無事なのかと安否を気づかっています。
とは言っても、ジブリ好きのあなたにとってはほどよく安全なシーズンが来ました。
毎年初夏には3週連続で過去作品を放送することが恒例になっているジブリ。
今年は私も楽しみな「コクリコ坂から」が放送されるのではないかと話したばかりです。
新調したテレビで、今年は絶対全部みるとはりきっていたあなたと、また一緒におしゃべりしながらみるのが楽しみ。
すでに何度もみたお約束のシーンで、年甲斐もなく盛りあがってやろうとワクワクしています。
こんなオオカミなら、いいかもしれない。
「耳をすませば」のあまずっぱいシーンで、2人して大興奮したことを思い出します。
もうこれはプロポーズだとか。
お気に入りのセリフが出るたびオウムのようなメールを送りあいました。
失笑ものなのですが、またやりたくなるのがハマっている証拠。
まるで満月を見ればオオカミに変身するように、2人してジブリで我を忘れてる。
私たち、またやっちゃうのかなぁと、月を見上げながら考えています。
思えば出会ってすぐのころは、もっとおかしなオオカミ女になっていたあなた。
最近はおだやかなんだと言っていたけれど、2人で変身するオオカミならいいでしょう?
聖司くんのイケメンなセリフに遠吠えしたあの夏のように、今年も思いきり楽しみましょうね。
お仕事もプライベートも、人間界ではハードな思いをしているからこそ。
満月の変身は必要なのかもしれません。
それまではお仕事がんばっていてね。
オオカミに変身しそうになったら、いつでも連絡をください。
私も一緒に月をおいかけるから。
ハナコ
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大切な人とのガス抜き
どんな仕事もそうですが、ハンバートさんもまた、日々ストレスを抱えています。
向いている仕事だからこそ、何ができるのか、なんとかしよう、といつも真剣に向きあっています。
あまりの壮絶な体験に私が絶句していても、「まぁ大丈夫なんだけどさ。」と笑ってはいます。
それでも他愛ないおしゃべりで、少しでも気持ちが軽くなればいいなと思います。
だから満月のお誘いをしました。
この手紙を書きながら、またあんなふうに笑おうよと、そう話せる思い出があることに感謝しました。
積み重ねたバカな思い出は、いつのまにか心の栄養に変わっていました。
今度はその栄養で、私が大切な友人を元気づける番です。
またあきれるような会話を重ねながら、私たちは明日にむかいます。
次の日にふと思い出して、ちょっと笑えたらそれでいい。
満月は、いつも一緒に見上げた大切な人のことを思い出させてくれるのでした。
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