菊の節句に祈る、母との時間~9月10日~
9月9日は菊の節句。
植物の名をあてはめる呼び名では
1月7日の七草の節句、
3月3日の桃の節句、
5月5日の菖蒲の節句、
7月7日の笹の節句、
そして締めとなる
9月9日の菊の節句です。
今ではすっかりすたれたものの、
時代によっては
不老長寿を祝う
五節句最大のお祝い事で
あったとか。
菊には死のイメージがあり、
敬遠していましたが、
日本人にとっては国花でもある
縁の深い花です。
もっとその意味が広がって
家族を強く結ぶきっかけになれば
いいのにと思います。
菊の花って、長寿の花だって知ってた?
お母さん
菊の花って、
亡くなった人にお供えするものだと
思っていました。
だけど9月9日の菊の節句は、
不老長寿や健康を祈る日
なんだそうです。
「知らなかったの?」
ってケロッと言われる気がします。
知らなかったよ!
お花の好きなお母さんにプレゼントする
アレンジメントを作ってもらう時、
ポンポン菊のような現代風なものでも
私はずっと菊を避けて来ました。
マム ミニマム アレンジ セット |
ほとんど病気もしないお母さんなのに、
何をそんなに気にしているのと
思うでしょう?
それでも私は、
お母さんがいなくなることを
イメージさせるものに
ことごとく背を向けて来ました。
今ならわかる。
それは非力な子供の
自分を守ってくれる人がいなくなる
恐怖感から来たものだと。
お母さんにいなくなる要素なんて
どこにもなかった。
現に今だって、
恐ろしいほどのパワーで
お父さんを身ぎれいに保ち、
私を叱り飛ばして喝を入れ、
弟のお嫁さんともうまくやり、
孫たちを全力で愛してくれている。
菊の節句の意味を知って、
呪いが解けたような気分でいます。
本当は最初から
呪いなんてなかったんだろうけど。
せっかくなので、
長生きしてほしいなと思ってます。
とにかく油断も隙もない人なので、
「せっかくって何。」と
つっこんでくるでしょうね。
せっかく呪いが解けたから。
お母さんはいつまでも元気で、
ちゃんとしてないと叱られるぞって
ずっと思っていたいのです。
もうすぐ敬老の日だしね。
「あんたのおばあちゃんじゃないわ。」
って言うだろうな。
ハナコ
死について親と話すこと
いつか来るとわかっていても、
死について親と話すことは
とても気持ちが滅入ります。
冗談めかして話してみたり、
まだまだ先のことだよと
はぐらかしてみたり。
でもいつまでも
そんなことが許される
年齢ではなくなってきました。
母も元気ではありますが、
お互いそういう話になっても、
避けないようにしています。
向き合うことで
大切に思っていることを伝えたい。
そして何より、
ずっと元気でいて欲しいと伝えたい。
菊の節句は
ずっと言えずにいたこと、
お母さんがいなくなるのが怖かったと
言える勇気をくれました。
死の花ではなく、
死の恐怖から解き放ってくれる
花でした。