6歳の誕生日に贈る、娘への手紙~いつか来る、その日のために~

上の娘が1歳になった時から、毎年誕生日には手紙を書こうと決めていました。

私は育児日記のような、成長記録を残していません。

だから節目となる誕生日には、1年でどんなことが変わったかを、書いておこうと思っていたのです。

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今年の誕生日に娘に渡すのは、ひらがなの手紙だけ。

大人になった彼女に読んで欲しい手紙は、いつか私の元から巣立って行くときに、渡したいと思っています。

求めるほどには甘やかしてやれない彼女のために、こんなにも大切に思っていたことが、いつか伝わればいいなと思っています。

 

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現在の彼女にむけたメッセージ

のどかへ

おたんじょうびおめでとう。

こんどあきがきて、ふゆになって、はるがきたら、のどかはしょうがくせいになりますね。

だいすきなようちえんも、あとすこしになったね。

まいにちたのしそうな、のどかをみていたら、しょうがっこうも、がんばれそうだなっておもっています。

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じぶんのことが、なんでもできるようになって、おふろもひとりではいれるようになりました。

まいにち、どんどんおねえさんになっていくのが、おかあさんはとてもたのしみです。

これからも、のどかがたのしかったことや、すきなこと、いろんなおはなしをきかせてください。

あしたからも、いっしょにようちえんへ、いこうね。

 

おかあさんより

 

 

6歳のあなたと一緒にいる、私からのメッセージ

のどかへ

のどか、お誕生日おめでとう。

今年もあなたの知らない手紙を書く日が来ました。

あなたが1歳になった日から続けているこの習慣も、今年で6回目です。

次女として生まれたあなたは、いつもお姉ちゃんの予定につき合わされ、おまけのように、ちょこちょこと私のそばにいました。

何かをするとき、まず赤ちゃんのようなあなたの手を無意識で探すのは、6年かけてすっかり習慣になったことです。

けどそろそろ、そんな時期が終わりに近づいているのを感じます。

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来年の4月が来れば、あなたは小学生になります。

ずっと手が離れるのが、待ち遠しかったはずなのに。

いざその時が近づくと、今は名残惜しい気持ちでいます。

お姉ちゃんが小学生になって、私と2人で幼稚園へ通うことになった時、あなたは退屈して、さびしがるのではないかと思いました。

けどこの3年間、2人で幼稚園に通うのは、とても楽しかった。

あなたはいつもおだやかな、ぽちゃぽちゃした笑顔で、私の手を握っていました。

2人目で、私の気持ちに余裕ができたことも影響したのだと思います。

そして楽しそうに幼稚園へむかいながら、時々「のどかね、本当はおかあさんと離れるの、ちょっとさびしいのよ。」と言ってくれました。

実際のところ、本気でつらかったことはなかったと思います。

迎えに行ったら、いつも楽しそうに走って来たから。

それでもいつもの場所から離れるさびしさが、ほんの少し、気持ちの中にあったのかもしれない。

それは私も同じでした。

あなたはいつも前を向き、失敗を重ねても上を目指すお姉ちゃんとは、全然違う。

気持ちの弱さでお腹が痛くなったり、体調が悪いと、すぐに気持ちがくじけそうになってしまったり。

なかなか突き放せないもろさが、今でもあります。

とてもがんばりやさんなのだけど。

周りをよく見て、見過ぎてしまって、怖くなってる。

しっかりしろとお尻を叩いて、一人でがんばれと、言える年齢にはなりました。

でもね、今のままでもいいかと思う気持ちが、実は私の心の中にあります。

かわいいからとか、大きくなってしまったらさびしいからとか、それだけじゃなく。

あなたが周りの人たちに感じさせる居心地のよさは、まさにそこから生まれていると思うからです。

あなたのそばにいると、心地いい。

弱っていても慌てていても、忙しくても疲れていても。

楽しい時も悲しい時も。

あなたのそばは、とても柔らかいのです。

それはきっと、あなたの周りにいる人みんなが感じることです。

その柔らかさを、守ってあげたいと思う。

強くなることで失うものがあるなら、今のままでもいいんじゃないかと思う。

外から受ける影響から、あなたを守ろうと思っているわけではありません。

きっといろんなことを吸収して、鍛えられてあなたは強くなっていく。

その過程で、変わっていくこともあるでしょう。

でも残るものがあるなら、それもいいなと思うのです。

きっといつかお姉ちゃんに言われてしまうね。

「おかあさん、のどかには甘い。」って。

それでもいいかな。

悪くないかな。

甘えん坊の大人にしてしまって、あーあって笑おうか?

あなたが幸せになれるなら、私はなんだっていいのです。

のどか、6歳のお誕生日おめでとう。

来年も一緒にお祝いしようね。

 

おかあさんより

 

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この手紙を読む頃は

この手紙は、早くても16歳、遅ければ20歳をずっと過ぎてから読むであろう、娘に宛てたものです。

その頃の娘に、子どもの立場ではなく、一人の意志を持つ女性として、私と同じ目線で読んでもらいたい。

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16歳なんてまだまだ子供で、20歳を過ぎたってきっと頼りないと思うに違いありません。

きっと私はその時だって、ガミガミ言っています。

けれど未来の彼女には、一人の女性として、最大の敬意と親愛の気持ちを込めて。

その未来のために、今があると信じて書きました。

そしてほんの少し、大人になった彼女が私を必要とした時、もしかしたらそばにいてやれない、力になってやれない未来があるかもしれないと、恐れてもいます。

それでも一緒にいた時間は、こんなにも彼女を想っていたことが伝わるように、私はこれからも毎年手紙を書きます。

 

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2 Responses to “6歳の誕生日に贈る、娘への手紙~いつか来る、その日のために~”

  1. na より:

    初めまして!naと申します。
    素敵なお手紙で、とても感銘を受けました。
    そして素敵なお母様ですねෆ╹ .̮ ╹ෆ( ꈍᴗꈍ)
    娘さんを一人の人間として、尊重し、大切にされているお気持ちがひしひしと伝わってきます。
    それに言葉がすごく綺麗で、(さすが、お仕事にされているだけあります!!)
    上手く言えなくて申し訳ないのですが、日本語は良いなぁと改めて思いました。
    この様なお手紙、私が母から貰ったら間違いなく生涯の宝物にします!
    私も年に一度娘へのお手紙、真似をさせて頂こうと思います(^^)
    しかしながら文才はないもので、これからも参考にさせて頂きつつ、自分の言葉で気持ちを伝えていきたいと思います。
    ありがとうございました。

    • 青山 ハナコ より:

      naさん
      メッセージに気づくのが遅くなり、こんな時期のご返信になってしまって申し訳ありません。

      あたたかなお言葉ありがとうございました。
      私が書いた文章をこんなにも喜んでくださった方がいることに心から幸せを感じています。

      naさんのお気持ち、どんな言葉であっても必ず娘さんの心に届くと思います。ぜひお手紙を書いて、成長をお祝いしてあげてください。

      私も同じことを重ねているnaさんの存在に力をいただきながら、これからもお誕生日のお手紙習慣を続けていこうと思います。

      青山ハナコ

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