10歳を迎える娘に贈る、誕生日の手紙~一緒に歩いた道のりを~
長女が10歳の誕生日を迎えます。
毎年誕生日には、今の彼女と、いつか私のもとを巣立っていく彼女にあてて、2通の手紙を書いています。
今年は成人まで半分の、節目の年。
これまでとは違った目線で、彼女のこれからを支えたいと思いながら手紙を書きました。
1/2成人式のメッセージを用意する時期です。
お腹に宿ったころの気持ちを書いた手紙はこちら。
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10歳のあなたへおめでとう
ほのか
10さいのおたんじょう日、おめでとう!
大人の仲間入りをする20さいまで、半分が過ぎました。
お母さんにとってほのかは、まだ生まれたばかりのような気がするのに、あと10年で、もう一人前になるなんて。
信じられないような気持ちでいます。
けれど泣いてるばかりで、何もできなかったあなたが、なんでも1人でできるようになったことを思うと、10年後には、きっとすごいことがおこっているのでしょう。
楽しみ。
学校の話を聞くことも、むずかしい宿題を教えてあげることも、ごはんをいっしょに食べることも。
これまでの全部が楽しかったように、これからのことが、全部とても楽しみです。
どんなにお姉さんになっても、立派な大人になっても、困ったことはたくさんあると思います。
そんな時は、いつでもほのかの気持ちを聞かせてね。
ほのかはいつもきちんと1人で解決するけれど、2人で力を合わせたら、いい考えがうかぶこともあると思うから。
いつでもほのかを応えんしています。
お母さんより
![]() ユニベアシティ ぬいぐるみ パフィー |
手を離す日が来るなんて
ほのか
10歳のお誕生日おめでとう。
私はずっと、10歳なんて、きっとまだまだ子どもだろうと思っていました。
あなたが5歳をすぎ、小学生になっても、全然変わらないと思っていた。
けどいつからこんな、別人みたいになったのだろうと、10歳を迎えるあなたを見ながら感じています。
確かにあなたは、今でも赤ちゃんの頃と全然変わらない。
ふわふわ笑いながら、絶対に自分のペースを崩さない。
ちょっとガンコなところもそのままです。
それでも、とても低いところにあった目線は、私の肩のあたりで、ずっとずっと先を見据えるようになりました。
私が想像もしたことのないような世界の話を、とても嬉しそうにするようになりました。
この手紙を読む頃、あなたはきっと今のその視線の先にある世界で、思い描いた夢を追いかけているのでしょう。
私が聞かせてあげられなかった歌に、私が見せてあげられなかった夢に生きる力をもらっていることでしょう。
いつの頃からか、「この子はきっと、そうして生きていくことができるだろう。」と、私は自信を持って思えるようになりました。
あなたにしてあげられたことはとても少なく、やれたはずなのに、できなかったことはたくさんありました。
焦って、怒って、急かしてばかりいました。
けど「大丈夫なはずだ。」と、ずっとどこかで信じていました。
視線に、しぐさに、口調に力が宿り、あなたは強くなりました。
でもまだ。
まだ守っていくつもりです。
これまでみたいに弱いからじゃない。
強くなったからこそ、支えが必要だと、気持ちを新たにしています。
10歳のお誕生日おめでとう。
私は喜んで、あなたの手を離します。
でもこれからも、ずっとそばで応援しています。
お母さんより
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これからを、どんな言葉で応援しようか?
子どものことを何ひとつ知らなかった私は、彼女が生まれたばかりの頃、「これからずっと、こんな生活が続くのか」と何度も気が遠くなりました。
けれど彼女は日に日に大きくなりました。
湯船で立てるようになった。
ごはんを自分で食べるようになった。
それだけで、私はぐんと楽になりました。
「子どもは成長するんだ。」
と、当たり前のことに気がついたのは1歳を迎える直前のことです。
大きくなるにつれ、一挙手一投足がとてもおもしろく感じられるようになりました。
少しずつ動きに理性が加わって、会話が成立するようになりました。
そこから今日までは、本当にあっという間でした。
私がいなければ何もできなかった小さな存在は、私にとってなくてはならない存在に変わりました。
彼女が何歳で自立するのかはわかりませんが、成人まで、半分の道のりが過ぎました。
きっとこれからは、もっともっと早く時間が流れるのでしょう。
半人前ながら、自分の力で歩き始めた彼女を、後ろから呼び止めることはもうできません。
「危ないよ。」
「先に行かないで。」
習慣のようにかけてきた言葉は、もう彼女の成長の妨げにしかならない。
子育てにおいて私はいつも、理解するのに時間がかかります。
それでもそろそろ、これまでとは違った関係を、節目を迎えた彼女と築いていかなければなりません。
「こんなことができるようになった。」
「あんなことを言った。」
と、書き記してきた手紙にも、新しい言葉を書く時期が来たのだと思うのです。
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