小さなおひさまみたいな柚子に~師走初めの友人への手紙~
柚子がおひさまよりも明るくなりました。
見上げる空は重くても、目線の先には元気な黄色。
見ただけでビタミンをもらったような気持ちです。
いよいよ師走と忙しくしている友人にも、心にゆとりの持てるような手紙を送りたい。
こんな時期だからこそ、柚子みたいに力強い色と香りでリフレッシュできるような内容を心がけました。
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冬到来のしらせは、柚子の香りとともに
ジミニーさん
天気予報に狂いはなく、約束どおりの冬到来となりました。
秋空はあっという間に低くなってしまいましたね。
出勤の早いジミニーさんはきっと寒いだろうなと考えていたら、みぞれまで降り始めました。
季節の変化だとわかってはいるものの、ふんだりけったりな気分で帰り道を急いでいたら、近所の庭先に小さな柚子。
灰色の景色の中に、明るい黄色がかがやいていました。
視覚のビタミンみたい…なんてどこかのグルメレポーターみたいなコメント考えながら、 目が離せませんでした。
すっかり元気をなくしてしまったお日さまのかわりに、けなげな小さな実がまわりを照らしているかのようで。
冬至の柚子風呂の香りを思い出したら、体もポカポカしてきました。
柚子ティー飲みたいなとか、やっぱり最後は食欲でまとめながら、玄関を入る頃にはすっかり寒さにへこんだ気持ちも元気になっていました。
そういう意味では本当にビタミンでした。
アイディアに自己満足しつつも、至福の表情で決まり文句を叫ぶ、ふくよかな自分の顔を想像して柚子ティーはお預け。
でも柚子ジャムは作ってもいいかも…と、動くことに気持ちを切りかえました。
部屋いっぱいに柚子の香りが広がったら、それだけで幸せになれそうです。
ジミニーさんにも、おすそ分けするつもりで作りますね。
どこかで柚子を見かけたら、元気な黄色に寒さを乗りきる力をわけてもらって下さい。
いろんなものにパワーを感じているのに、いざ風邪をひいてしまうと準備不足にがっかりなことが、私はよくあります。
今年は忙しくなる前に柚子ジャムを作って、師走の疲労対策を早めにやっておこうと考えています。
柚子を見かけただけ。
なのにこんなに元気になれるなんてすごい。
年末の大詰めを迎えているジミニーさんにも、香りが届けばいいなと思っています。
あたたかくしてお過ごし下さいね。
ハナコ
ビタミンみたいな手紙
体温を維持するためなのか、寒いというだけで疲れます。
「疲れた。」
と口に出すのは好きではないのですが、寒さに疲れることを自覚するのは必要です。
自覚することで、疲れる前にできることがあるから。
それでも急に気温が下がった時は、準備不足に後悔することもよくあります。
冬用のふとんを干しておけばよかったな、とか。
ゆずジャム作っておけばよかったな、とか。
だから気がついた今やっておこう。
自分の気持ちを盛り上げるためにも友人への手紙で宣言しました。
作りますねって。
そんなハナコの前向きな気持ちが、手紙で伝わればいいなとも思っています。
もしかしたら早朝の、まだ霧のかかった街を急いで歩いているかもしれないから。
たとえ食欲メインのお気楽な手紙に苦笑いしても、その後見かけた柚子には、「確かに…」なんて気持ちになることだってあると思うのです。
だから頭の中を黄色でいっぱいにして、手紙を書きました。
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ゆずの匂いいっぱいだった友達
ある日の午後、ママ友のハルちゃんを車に乗せた時、ふんわりと甘くてとてもいい匂いがしたことがありました。
香水なんてつけないし、洗剤の匂いでもなさそう。
「なんかいい匂いするよ!」
と言ったハナコに、「ゆずもらったんだけど、ゆずジャム作ってねって、念おされたんだよね…。」と、ジャム作りでお疲れ気味のハルちゃんは言いました。
部屋いっぱいに充満したであろう香りにハルちゃんはマヒしてしまい、自分の匂いには全く気がつかない様子。
それでも車に広がったその香りを、ハナコは柚子をみるたびに思い出します。
嗅覚は記憶と一番強くつながっている、だったかな。
そばにいるだけで幸せを感じた記憶は、香りが消えても元気を与えてくれています。
だからきっとジミニーさんにも届く。
柚子がくれた、元気な黄色。
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