事始めに送る、おばあちゃんへの手紙~年神様のお迎えに~
12月13日は正月事始め。
本格的にお正月の準備を始める日とされています。
85歳になるハナコのおばあちゃんも、はりきって準備を始めます。
大晦日と元旦はハナコの実家で過ごすため、事始めはさっそくデパートに買い出しや予約に出かけるとのこと。
やりがいを持ってイキイキがんばってくれるのはありがたいのですが、高齢なだけに心配もあります。
おばあちゃんは大丈夫なつもりでも、師走の街中は普段のそれとはちがうのです。
家族を思ってくれる気持ちは大切に、それでも「ほんとだね、気をつけないといけないね。」と思ってくれるような手紙を書きました。
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事始め、まずはどこから出かけるの?
おばあちゃん
12月も半ばになりました。
今年もあっという間だったね。
13日の事始めには、さっそくお正月の準備をするんだろうな。
大晦日に受けとる和菓子を予約して、黒豆と煮干しは買っておくんでしょう?
デパートで働いていたおばあちゃんと待ち合わせて、年末のデパ地下で買い物したことを思い出します。
お煮しめの材料は?って聞いたら、それは作る直前に買うのって笑われた。
金時にんじんやくわい、この時期にしか見かけない野菜を眺めながら、ワクワクしました。
お正月が楽しみで。
大好きなおばあちゃんちに、たくさん泊まれるのがうれしくて。
年末のデパートの熱気に、楽しみな気持ちがふくらみました。
最後はいつも、宝くじ売り場。
当たったら、ハナコの近くに引っ越すねって毎年言っていた。
宝くじのことよく知らなかったけど、おばあちゃんと近くに住めるなら、当たって欲しいなぁって思っていました。
子どものハナコにも、夢のおすそわけ。
そんな思い出がいっぱいつまったこの時期が、ハナコは今でも1年で1番好きです。
元気でいてくれるおばあちゃんのおかげで、来年の元旦もまたみんなで会えるから。
楽しみだな、お正月。
おせちも和菓子も楽しみ。
でも何よりもおばあちゃんとのおしゃべりが楽しみだから、くれぐれもケガのないように気をつけてね。
年末になると忙しいのは、みんな同じ。
大変ねって笑っていられるくらい、お出かけはあせらないでいてね。
年明けの買い物はハナコがお手伝いもできるから。
お正月の準備が終わったら、あとはのんびりして下さい。
紅白に出る人もずいぶん変わるみたいだよ。
知らない人が増えたねぇって言ったら、あんたまだまだ若いでしょうって笑うけど、娘2人が楽しそうなのを見ると、そろそろ私も年配枠かと不安になります。
子どもは少し見ないと、好みもあっという間に変わってびっくりするよ。
お正月、本当に楽しみにしています。
みんな元気で集まろうね。
ハナコ
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前向きな気持ちを大切に
ハナコの祖母は負けん気が強く、なんでも1人でやろうとします。
以前はとんがっているようにも感じたその心意気は、若さの秘訣だったのだと今では感じています。
それもあってお煮しめと黒豆は今でも祖母の仕事。
仕事をしていて料理はマメな方ではないので、毎年味が違い、失敗したとへこんでいる年もあるのですが、それもお正月の話題のひとつ。
薄味なら母にほめられ、濃い味だと酒飲みのハナコがモリモリ食べるというパターンです。
そんな祖母を思うと、暖冬だというニュースにはホッとしています。
ケガで動かしにくい足も、着ぶくれしていなければ歩きやすいはず。
暖房のきいたデパ地下でも、汗ばむことなく買い物できるはず。
昔の記憶をたどりながら、ハナコも事始めを迎えます。
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