術後の経過はどうですか?~おばあちゃんに送るお見舞いの手紙~
4月のはじめ、転んでひじを粉砕骨折した祖母。
手術をした後しばらく入院し、ひとりで暮らす家に戻ったそうです。
負けず嫌いでなんでも1人でこなす祖母は、今回も母に買い物や通院を介助してもらいながら、不自由な腕でがんばっています。
それでも、先日プレゼントしたひ孫である、娘たちの写真を入れたアルバムは大喜びだったとか。
誰かに頼りたいわけじゃないけれど、1人じゃないと思えることは、きっと心強いことなのでしょう。
だから私もできるだけ、手紙やメールで近況報告をしたり、ご機嫌伺いをしています。
85歳になった祖母に、早く治して…は、そぐわない言葉になりました。
痛みや不自由さを抱えながら、それでも楽しく過ごす祖母の生活に、ほんの少し、楽しみをプラスできるといいなと思っています。
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術後の経過はどうですか?
おばあちゃん
その後、ひじの調子はどうですか?
手術の時間が予定より長引いたと、お父さんもお母さんも心配していたから。
術後の具合はどうかと気になっています。
それでも、あたたかい時期でよかったね。
暑い時期にギブスを巻いたり、寒い時期に腕がむき出しになったりしなくて本当によかったと思っています。
経験者によると、暑い寒いはケガよりつらいそうだから。
体も動かしにくいだろうし、快適にのんびりできる時期で助かったなと思っています。
とは言っても、相変わらず家ではなんでも自分でやっちゃうんだとお母さんが言っていました。
きっと少しくらい痛くても、動いている方が体のためにもいいのだろうと思うのですが、くれぐれも2度目のケガがないように。
それだけは気をつけてくださいね。
私にとって、1番身近だったお年寄りがおばあちゃんだったことで、私はどれだけ年をとっても自分のことは自分でするものだという意識がありました。
けれど友達とも親や身内の老後の話をするようになって、意外とみんながみんな、元気じゃないんだと驚いています。
いつも明るいおばあちゃんだけ見ていたら、全然気がつかなかったけど。
元気で年をとるって難しいことなんだなと思っています。
けどね。
これからもがんばって、きれいでいて下さい。
昔からおしゃれで楽しいおばあちゃんはステキだから。
そんなおばあちゃんが大好きだから。
子どもたちは、ひいばあちゃんのお見舞いに行きたいといつも言っています。
なだめるのが大変なくらいですが、夏休みに入るころには、おばあちゃんもすっかりよくなっているよね。
小さいくせに、子どもたちは驚くほどパワフルだから、しっかり治ったころに顔を見に行きます。
しばらくは夕方まで学校で、週末もおだやかに過ごす毎日が続きます。
なかなかお出かけの写真も見てもらえないけど、楽しそうな時は、またたくさん写真を撮って送るね。
朝晩は思いがけず、冷える日がまだあります。
ギブスが暑くなっても、きちんと布団をかけて寝て下さいね。
ハナコ
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布団も白髪も見たことない
デパガ(デパートガール、つまりショップ定員さん)をしていた祖母は、昔からとてもおしゃれな人でした。
今でも定期的に髪を染め、いつもきれいな服を着ています。
事前の連絡なく訪問しても、部屋はいつもきれい。
布団が敷いてあるのも見たことがありません。
でも考えてみたら、祖母は85歳。
髪はほとんど白髪だろうし、昼間だって横になっていたい日があるだろうと思うのです。
それでも若い頃となんら変わらず、いつも楽しそうにしている祖母は、私に「いつも元気で当たり前」という気持ちを自然にすり込んでいます。
母もおおいにそういう性質があるので、2人に似た私は、弱っている人やがんばれない人にたいして優しくなりきれない性格をしています。
けれど自分の生きる姿勢を考えた時、最高のお手本がつねに最も身近な場所にあったことには、心から感謝しています。
以前家で転んで骨折し、動けなくなった祖母は救急車に乗せるためにタンカで運ばれながら、「たいしたことないのに、お騒がせしてすみませんねぇ~。」と、何事かと出てきたご近所さんに、ムダな愛想をふりまいたと、母が腹を立てていたことがありました。
それくらい弱さを人に見せない祖母。
痛いなら素直に言いなよとあきれることもあるけれど、そのたくましいプライドにいつも力をもらっています。
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