今年の桜の開花予想はね~おばあちゃんに送る春先の手紙~

立春を過ぎ、季節はいよいよ本格的な春にむかいます。

春一番が吹けば三寒四温、あたたかい日もふえ始めます。

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桜の開花予想も、おおよその日にちが見えてくる頃。

そろそろおばあちゃんと、出かける予定を立てようかな。

昔は桜なんてもう咲いているのかと疑いたくなるような早い時期から、南は南紀に始まり、最後は東北のバスツアーまで、おばあちゃんは桜をおいかけていました。

出かけた先ではおいしいものを食べ、温泉に入り、おみやげを楽しそうに選んでいました。

今、おばあちゃんは自分だけの力で遠出することはできません。

とはいっても本人はできるつもりでいるし、不可能ではないはずです。

でも周りが不安になってしまう。

けれどそんなふうに心配されることを、良しとする人ではありません。

心配は、必要以上の老いを感じさせることになる。

なら一緒にでかけようよ、と言えたらいいなと思うのです。

たとえ出かけられなくても、予定を立てるような気分で、明るい手紙を送ります。

 

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暖冬ではあったけど

おばあちゃん

立春がすぎると、そわそわするのは人間も動物だからかな。

きっと土の中でも、固い芽の中でも、あたらしい命が今か今かと春を待っているはずです。

いつも歩く散歩道は、梅がとってもきれいだった。

次は桜だと、ワクワクしました。

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桃の節句があるくらいだから、梅の次は桃かと思っていたけど、違うよね。

またおばあちゃんを、あきれさせてしまいそうです。

今年は暖冬だったから、桜も咲くのが早いのかなと思っていたけれど、意外とそうでもないみたい。

平年より遅くなると聞きました。

卒業式には間に合わないけど、入学式には葉桜になっているパターンかな。

のどかの入学式は、桜の前で写真がとれるといいなと思っていました。

満開がいつなのかはわからないけれど、春休みのあいだに一緒にお花見に行けるといいね。

京都や奈良は遠くても、近くの川ぞいや公園でのんびりできたらいいなと思っています。

もちろん私はランチがめあて。

桜や菜の花にちなんだ春のメニューが楽しみです。

昔、おばあちゃんと京都で食べた春の懐石はとても上品で、今でもよく覚えています。

淡いピンクの小皿にのせられたお料理は、春がどんなにすばらしい季節かを教えてくれました。

そっとのぞいた大人の世界は、幼い私の背のびさえも優しく受け入れてくれていた。

あの時からずっと、春は私にとって新しい世界への第一歩のような、新鮮な気持ちになる季節です。

きっと今年もすてきな出会いがあるはず。

それは景色なのか、人なのか、お料理なのかわからないけれど。

今ならおばあちゃんが南紀の桜に始まって、東北までバスに乗ってお花見に出かけていた気持ちがわかるような気がします。

海には春の魚が、山には春の山菜が、そして行く先々に桜並木がひろがっていたのでしょう。

ガイドブックにのるような場所じゃなくても、ありがたいことにきれいな景色や、おいしいものはあちこちにあります。

一緒に探して、今年の出会いを見つけようね。

テレビでよさそうなところを紹介していたら、名前を覚えていてください。

雨の少ない春だといいね。

日中のあたたかさに油断しないように、風邪ひかないで元気でいてね。

 

ハナコ

 

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祖母の元気をおびやかすもの

ハナコのおばあちゃんはありがたいことに気丈夫な人で、80歳をこえた今でも気ままなひとり暮らしを楽しんでいます。

 



 

洋裁が好きで、ひ孫たちが幼稚園や小学校でつかうバッグを次々縫いあげ、洋服のほころびはすぐにきれいになおしてくれます。

足腰が弱った今でも、まめに外出し、家はいつもきれいです。

高齢なので、どうしても病気やケガで動けなくなることはありますが、そんな時でさえ、「たいしたことないよ。」と笑っています。

それでも親しくしていた人の死や、身近な人の病気を知ったときは、かなり気落ちしています。

おばあちゃんは、死ぬことをおそれてはいません。

きっと年を重ねるあいだに、大切な人がなくなっていくことは、自分の死や病気より、ずっとつらいことなのでしょう。

けれどハナコにも誰にも、それを止めることはできません。

だからせめて、手紙を書いたり、会いに行ったり、食事に出かけたり。

おばあちゃんを大切に思う人は、ここにもいるよと伝えたい。

 

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