今夜は月がきれいですね~中秋の名月に贈るラブレター~

月がきれいですね。

これは夏目漱石が英語の教師をしていた時、生徒が”I love you.”を「我、君を愛す」と訳したことに対し、当時の日本語として自然な表現に置き換えた時の表現だと言われています。

正式な文書で残っているお話ではないそうですが、そんなことがあってもおかしくない、きっととてもロマンチックな人だったのでしょう。

 

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残念ながら、ハナコはこの言葉を知った頃すでに結婚していて、実戦で使うことができませんでした。(実戦…)

なんだかとても風情のある言葉なので、手紙好きとしては使わずに終わるなんてと、残念でたまりません。

特に毎年この時期になると、誰かにラブレターを書けたらいいのにと思うことひとしお。

ラブレター、大好きなのです。

これほどまでに相手のことを思って書ける手紙はないと思うから。

ハナコは手紙を書くとき、たとえ相手が同性であっても、ラブレターを書くようなつもりで手紙を書いています。

そこに恋愛感情はなくても、それくらいの思いを込めた手紙はきっと相手の心に届くと思っているからです。

ハナコの書きたい気持ちと、手紙の書き方を探してこのサイトに来てくださった方のために、時々ラブレターも紹介しようかなと考えています。

30代や40代の女性が恋する相手に送れるような、大人のラブレターを提案する予定です。

恋人や片思いの相手というような、はっきりと恋愛感情を持っている相手に対してだけでなく、敬愛の気持ちを伝えたい異性にも、使えるようなフレーズを探してみようと思います。

 

今夜は月がきれいですね。

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ホームズさん

中秋の名月とスーパームーンが重なる今夜。

大きな月に特別な力があるなら、あなたとの距離を少しでも縮めてくれたらいいのにと思うのです。

私たちは文明の利器を活用し、言葉の力で2人の間にある距離を縮め、積み重ねることをあきらめずに今日まで来ました。

離れても気持ちは変わらないなんて、安売りされた言葉にすがらなくてもあなたを信じることができたのは、きっと私たちが自分の言葉で2人のことを話せて来れたから。

私たちは深夜12時の鐘が鳴っても解けない魔法をかけるため、他愛もない話題を重ねてお互いのことをたくさん知りました。

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あなたのために料理をしたことはなくても、私はあなたが嫌いなものを知っているし、遅刻ばっかりするのに、時間に几帳面なことも知っています。

時計を見上げてあなたがちゃんと起きたかなって思う時、あなたに作ってあげたかった朝食のメニューも考えていたりする。

毎日少しずつ重ねた言葉のおかげで、私は一緒にいるよりずっとあなたのことを近くに感じています。

でも今日は。

今日だけはお月様に祈りたい。

あなたのそばで月を見上げて、今夜は月がきれいですねと言えたらよかった。

ひと言でいいから伝えたかった。

でも叶いません。

こんなに月が近いのに、あなたとの距離はいつもよりずっと遠い。

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いっそ雲に隠れてしまえばいいのにと憎たらしい気持ちになりながら、それでもせめて同じ月が見れていたらいいのにと思っています。

明日電話で、お月様きれいだったねって話しましょう。

あなたのことばっかり考えていたことは電話では秘密です。

きっとこの手紙は月がすっかり欠けてしまった頃に届いて、あなたはきっと「早く言ってよ。」と笑いながら、見てなかったこともごまかして、私もいつもの気持ちに戻ります。

こうして積み重ねる言葉があれば大丈夫と思える毎日に。

それでも巨大な月のパワーのせいで、その時に「ごめんね。」って頭をなでてくれる手のぬくもりが感じられなかったことは、いつまでも少しだけさびしいなと思います。

わずかになってしまったあなたの、体温を思い出させる切ないフルムーンでした。

ホームズさん、今夜は月がきれいですね。

いつもよりずっと、きれいですね。

 

ハナコ

 

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やっぱりラブレターは素敵です。

どれだけ気持ちが通った恋人でも、性別や価値観の違いは埋められません。

10代や20代の頃はそれがもどかしく、どうすればその溝を埋められるのかと焦ってばかりいました。

全てが同じにならないと、終わりが避けられないと思っていたからです。

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それでも恋愛だけが人生の全てではない年齢になり、違いや距離をゆとりととらえる余裕ができました。

残念なことにそれは結婚して、子供も産んだずっと後のことです。

今なら上手に恋愛ができる気がする、なんて「たられば」の話。

結婚していなければ、子供を産んでいなければ。

もしそうならハナコは、早く結婚しなければ、早く子供を産まなければと焦っていました。

別の意味で恋愛どころじゃなかった。

だからこその憧れでもあります。

1人で生きて行く覚悟を決めながら、それでも素敵な恋愛ができる女性。

もしそんな立場になったら、自分の足で立つことも、甘えることも上手にできるといいなと思います。

今日の手紙にはそんな気持ちを込めました。

恋する言霊の力で、そんなふうに書けば、きっとそんな女性になれると思うから。

仮想でも、やっぱりラブレターは素敵です。

 

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