寒露に気遣いたい、多忙な友人への手紙~10月7日~
二十四節気では、10月8日頃から霜降(2015年は10月23日)の前日までの期間を寒露と呼びます。
草花に降りた露が凍る前の状態、とても冷たくなる時期を指すのだそうです。
確かに朝はかなり気温が下がり、厚手の上着が必要になって来ました。
本格的に寒くなる季節はすぐそこです。
それでも日中はまだ暖かく、外の空気を楽しむには最高の時期。
あちこちで見かける秋の味覚におしゃべりもはずみます。
季節の変化も感じられないくらい忙しそうな友人には、せめてこの時期の雰囲気だけでも感じられる手紙を書きましょう。
今日は転職直後、慣れない仕事に取り組むハンバートさんに手紙を書きました。
疲れた体には甘いものが必要。
本当は一緒に出かけてお茶ができたら最高ですが、それができそうになくても、お茶会でのおしゃべりを思い出せるような手紙にしました。
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寒露というほど冷えてきたので
ドアをあけた時の思いがけない寒さに、慌てて上着を取りに戻るような季節になりました。
朝の空気の冷たさは、一瞬で眠気を吹き飛ばしますね。
暦では寒露、朝露がとっても冷えてくる時期なんだとか。
新しい仕事の慌しさに、衣替えもできないままになっているのではないかと気になっています。
寒さを我慢して出勤したりしていませんか?
お仕事は今ががんばり時、体調をくずさないように気を付けて下さいね。
朝晩がそんなに冷えても、日中は汗ばむ陽気が続いています。
日差しはまだ痛いほど。
最近はそんな寒暖の差が生んだ秋の味覚を、あちこちで見かけるようになりました。
あまり甘いものを食べないハンバートさんでも、きっとそそられるものがたくさんありますよ。
とくに今年は栗がイチオシみたいです。
あちこちでやってる栗フェアーが気になって仕方ないんです。
近くにいたら無理矢理でも付き合ってもらうんですが、なにぶんあなたは多忙の上に遠方の身。
それならせめて、一緒にお茶した気分になれないかと考えています。
こちらでは紅葉はまだ少し先なんですが、大通公園はすっかり秋景色だとテレビで言っていました。
きっと一緒に出かけたら、あそこのケーキが食べたいだとか、この前見たメニューが気になったとか、必死でお茶に誘う私なんかあなたは知らんぷり。
まぁ座りなよ、なんて言って缶コーヒーでごまかそうとするはずです。
ちょっと待ってせめてスタバにしようよ、新しいフルーツクラッシュってお茶も良さそうだったし、おいしそうなケーキもあったから。
甘いもの欲しくないならコーヒーだけ飲んでなよ、私は食べたいの。
大騒ぎになる予感しかしません。
折衷案で、スタバでテイクアウトするってどうですか?
100歩譲るんならセブンコーヒーですが、その場合はミスドのドーナツが必須です。
ハナコのお茶は面倒くさいって前も言われたことがあります。
でもあきらめません。
あなたとの公園ピクニックはとっても楽しいから。
新しいピクニックシートと小さなテーブルを買ったんです。
外お茶にぴったり。
ケーキもちゃんと置けますよ。
黄色になったイチョウ並木が見える場所にシートを広げて、2人だけのカフェでお茶しましょう。
仕事のグチもいくらだって聞けるし、気持ち良くなったらお昼寝もできますよ。
ここのところ忙しくてたくさん話もできなかったから、1日くらいゆっくりしましょうね。
私ですか?
相変わらず。
だからたまにはのんびりしたいんです。
あなたと一緒に。
こんな季節だから、いいでしょう?
ハナコ
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本当のお茶タイムを思い浮かべて
基本的に誰かに合わせるということをしないハンバートさんは、いくらハナコが好きでもケーキを食べるのに付き合ってくれたりはしません。
運が良ければ一緒にコーヒーを飲んでくれるくらい。
きっと同じような格好をした女の人が、狭いテーブルに座っている中で、自分もじっとしていることだって嫌なのでしょう。
ハナコは札幌へ行ったことがないので、行くことがあればぜひとも雪印パーラーへは行きたいのですが、ハンバートさんには絶対に一緒には行かないと言われています。
ハナコも人に合わせるのが好きではないので、ハンバートさんの気持ちもわかるし、それでもかまいません。
けれど今回の目的はハンバートさんとのおしゃべり。
想像上のお茶会ではあっても、2人とも楽しめるものにしたいと考えてテイクアウトお茶会を提案しました。
これならハンバートさんも、ハナコに付き合って公園でピクニック風なお茶をすることをOKしてくれそうな気がします。
自由なハンバートさんのためにくつろげる空間を。
何を思ったか最近ハマっているという柿ピーも仕込んで行きましょう。
もっと若い頃は、人気のあるケーキショップやカフェのようなおしゃれな空間も楽しみたかったし、せっかくなら高くてもおいしいスイーツやドリンクを味わいたいと思っていました。
今だってもちろん、そんなお茶も好きです。
けれど大人の普通が通用しない子供たちと何年かを過ごしてからは、同じ時間を過ごす人と1番リラックスできる空間が作れるなら、形はどんなものでもいいと思えるようになりました。
今のハンバートさんとハナコのベストは公園でのピクニック。
少し人に疲れてしまったハンバートさんには、ひんやりとした秋風が心地いいのではないかと思うのです。
現実にはそれが難しくても、想像の中で一緒にそんな空間を作り出すことができたら、ほんのちょっと、ハンバートさんも元気になれるかもしれません。
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