晩秋の長雨は冬の入り口~友人に送る11月下旬の手紙~

秋晴れという言葉があるとおり、好天の多い季節ですが、一度天気が不安定になると、いつまでも冷たい雨が続きます。

長雨もまた、秋の風物詩。

ひと雨ごとに気温が下がり、晴れの予報に期待をしても、曇天にがっかりということだって少なくありません。

気持ちも空のようにどんよりしそうになりますが、今回はそこを逆手に取り、雨だからという無茶な言い訳も許してもらえそうな手紙を書きました。

手紙と雨は相性がいいと思うのです。

外から遮断された部屋で、小さな紙の世界の中に、晩秋の雨の楽しみをぎゅっと詰めました。

 

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過ぎゆく秋を見送る雨

ジミニーさん

久しぶりの長雨になりました。

お仕事の行き帰りに濡れていませんか?

この時期の雨は体を冷やします。

くれぐれも、風邪を引かないように気をつけて下さいね。

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日本列島に秋雨前線が停滞しているとのことなので、きっと東京もこちらと同じ、冷たい雨が続いていることでしょう。

洗濯物のことや、出かけることを考えるとため息が思わず出てしまうものの、ジミニーさんへの手紙に向かう頃には、なんだか楽しい気持ちになっています。

この世界には私と、便箋の中の小さな空間だけ。

想像の世界はどこまでも自由で、外からは見えていないような安心感。

秘密を共有することに、思わずワクワクしています。

そう言えば、ジミニーさんには誰にも言えない秘密ってありますか?

書きながら、雨の日に最高の話題だとドキドキしてきました。

私にはジミニーさんとのお手紙の交換も、ちょっぴり秘密のにおいがするものです。

誰かに見られて困るような内容ではありませんが、この中には私の弱さや情けなさが全部詰まっていて、それでも強くいられる魔法の力が隠されています。

傷ついたり不安になった気持ちを、柔らかく包み込んで前を向く力がこの中にはあります。

他の人には教えられない、私の力の秘密です。

ジミニーさんに対する秘密ですか?

ひとつだけ、お話しします。

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だからジミニーさんもひとつだけ、私に秘密にしてることを教えて下さい。

雨だから。

きっとこの雨が上がったら、冬が扉を開けて待っています。

厳しい季節かもしれません。

秘密の話もおしまいにして、外に出かけなくてはいけません。

それでも私はジミニーさんが教えてくれた秘密を胸に隠して、顔をマフラーにうずめて、隠しきれない思い出し笑いを押し込めて出かけます。

手袋もそろそろ出しましょう。

全身すっぽりくるんだら、もう一度ジミニーさんと話した内緒話を思い出しながら、体が温まるまで歩きます。

雨上がりが楽しみになりました。

ジミニーさんと季節を共有できるようになってから、私には嫌いな季節がなくなりました。

どんな季節もこんなふうに楽しいことがたくさんあるから。

明日の朝、思い出し笑いしちゃだめですよ。

私も気をつけます。

次また雨が続いたら、もうひとつ秘密の話をしましょう。

冬の雨、ワクワクしますね。

 

ハナコ

 

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晩秋とどめの雨にも負けない気持ち

初秋から晩秋にかけて、過ぎゆく季節をさみしく感じることは避けられません。

おまけにとどめの長雨となれば、いよいよ冬かと気持ちは滅入るばかり。

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それでも誰かと「2人きり」の秘密の想像には子供の頃みたいにワクワクしてしまいました。

われながら、なんて楽しいことを思いついたんだと自画自賛。

ささやかな秘密でも、とんでもな暴露話でも、分厚く暗い雲にならなんでも隠せてしまいそう。

秘密が外にもれる心配もありません。

ましてや相手はジミニーさん。

ハナコばかだなぁと思っても、笑って許してくれるでしょう。

雨だって悪くない、書き終わる頃には他でもない自分が、そんな気持ちになっていました。

季節も天気も、とらえようなのだとまたひとつ、教わった気がします。

バカ話につき合ってくれつつも、明日だって雨の中、お仕事に出かけなくてはならないジミニーさん。

ハナコの秘密が少しでも胸を温めてくれますように。

笑いをこらえていたら体に力が入ってポカポカしてくるかも?

なんて浅はかなことを真剣に考えてしまうのも、外の暗さのせいにします。

 

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