秋空に霧を晴らして熱気球~多忙な友人を思う立冬の手紙~
いよいよ迎える本格的な冬。
とは言っても職場で中堅として奮闘する友人にとって、季節の変化は感じにくいもの。
仕事への前向きな気持ちはあっても、日々のハードワークには疲労も感じている時期です。
仕事帰りに確認したメールに、ホッと力が抜けるようなメッセージを届けたい。
立冬の言葉通り、友人の住む札幌には本物の冬が到来しています。
熱気球が立ち込める霧を晴らして空高く昇って行くように、今日の疲労を振り払い、明日からまたがんばれるよう、願いを込めて手紙を書きました。
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ピザまんは邪道なんでしたっけ?
今日もお仕事お疲れ様でした。
コンビニの暖かさがホッとする季節になりましたね。
夕飯は何にしますか?
お給料日はまだ先だから、ごほうびのごちそうはもう少しお預け?
それでも暖かいものがおいしい季節になったから、選ぶ楽しみが増えましたね。
肉まん派だって言ってたハンバートさん、ピザまんは邪道なんでしたっけ?
私はあんまんだって好きですよ。
あなたと違って甘党なんです。
でも今日くらいは試しに買ってみませんか?
甘いものってホッとします。
もちろん食事のおまけにです。
デザートなら他のものにするって言いそうだけど、選ぶなら温かいものにしましょう。
体は冷やさない方がいいんです。
きっと家に帰ったら、部屋を暖める暇もなく眠ってしまうけど、あなたには明日も大切な一日。
しっかり眠れるように休んで下さい。
そんなハードな仕事が勤まるのか、なんて周囲の心配をよそに、前だけ向いているあなたは、気がかりではあるけれど、強い信念に支えられているのだと安心もしています。
「やっぱりこの仕事、向いてるわ。」と言い切るあなたを見ていると、仕事の向き不向きって、心もちで決まるんだと感じています。
「向いているかどうかなんて、わずかな期間でわかるわけない」なんて言葉、必要なかったですね。
あなたは自分に合っていると決めて始めた。
揺らぐ隙のない決意を、頼もしいなと感じています。
なんてほめてばかりじゃ天狗になるでしょうから、しっかり締めてもおきましょう。
「ほめるだけでいいじゃんか!」ってプリプリしているだろうな。
体の疲れを取るのは、あなたの嫌いなお酢です。
疲れたから肉が食べたいと駄々をこねるでしょうけれど、野菜も必要です。
私がいる場所よりずっと早く冬が来ているはずの札幌、風邪や冬の病気を寄せつけないためにも、唐揚げや焼き肉に野菜も加えて下さいね。
私と食事をするなら、小鉢はきゅうりの酢の物、納豆の和え物、汁物は野菜たっぷりのスープです。
逃げ出そうとしているあなたがありありと浮かびます。
帰り道、「足りないよぅ」って半べそかきそうになってたら、肉まん買ってあげますね。
「これも食べなよ。」って、あんまんもつけてあげます。
温めなおしたら、明日の朝にだって食べれます。
朝だってしっかりエネルギーをチャージして、大切な仕事をスタートさせて下さい。
畑違いの私では、あなたの力にはなれません。
差し入れができる距離でもない。
こんな書き方ウソみたいだけど、あなたの健康と活躍を、本心から祈っています。
ご健康とご多幸をお祈りします、なんて言葉、ただの社交辞令かと思ってたけど、たった今考えが変わりました。
あなたを通して見える世界は、いつものことながらまるで違うもののようです。
この愉快な世界で、新しいあなたを応援しています。
今度のお休みはゆっくり電話で話しましょうね。
愚痴なんて全然ない、なんて天使みたいなフリしたってだめですよ。
全部聞きます。
あしたもがんばってね。
ハナコ
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ネガティブじゃ癒されない
疲れている時に、「疲れたでしょう、休んだ方がいいよ。」とねぎらうことはおかしなことではありません。
けれど、充実した一日を終えた友達に対し、それはふさわしい言葉ではないと思うのです。
どんなに達成感のある仕事でも、疲れを伴わない労働はありません。
いたわりたい気持ちもあります。
だからこそ軽く、元気に、やさしい言葉を選びたい。
「人の気も知らないで!」と笑って怒らせるくらいがちょうどいいと思っています。
そのかわりたっぷり眠った後の休日は、楽しい話も、そうでない出来事も、時間の許す限りたくさん聞くつもりです。
ハンバートさんはいつも、「ハナコもがんばってね。」と言います。
ハナコも、ね。
すでにがんばっている彼女に負けないよう、ハナコも前を向くつもりです。
エネルギーにあふれた大切な人の言葉は、それだけでハナコのパワーになっています。
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