七草の節句に気遣う、高齢のあの人への手紙~寒の入りによせて~
鏡を見ながら「年とったなぁ…」と自分にガッカリするようになった最近。
高齢の親戚や知り合いが、病気やケガで入院したという話をよく聞くようになりました。
ハナコが結婚や出産で慌ただしかった15年ほどの間に、ご主人や奥さんを亡くし、1人になったという人も増えました。
身近なところではハナコの祖母も高齢の一人暮らし。
入院こそ少ないものの、会うたびに弱っています。
そして気になるのが会話の遅さ。
人と話す機会がへると、なかなか言葉が出こないのでしょう。
そんな祖母を見ていると、胸がしめつけられるような思いがします。
きっと同じような立場の人たちは誰も、気ままな一人暮らしを楽しみつつも、さびしい時だってあるだろうと思うのです。
先方が元気な頃はそれなりに忙しく、ずっと疎遠になっていたとしても。
久しぶりの便りを少しでもよろこんでくれるといいなと思います。
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お元気ですか?
トシコおばさん
にぎやかに楽しく過ごしたお正月も終わり、お疲れは出ていませんか?
ちょうど七草の節句、お元気でいらっしゃるかとお便りしました。
こちらは娘が小学生になって以来、長期の休みといえども自由になる時間がぐっと少なくなり、実家に帰るのも慌ただしくなりました。
けれどたまに会うおばあちゃんからは、おばさんと出かけたり食事をした時の話を聞いていたので、お元気そうな様子をうれしく思っています。
写真で知っているかもしれないけれど、おばさんは私の娘を見たら、きっとすごくびっくりすると思います。
あまりにも小さい頃の私にそっくりで。
どれだけ写真で見た顔が似ていても、それでもおどろくと思う。
私も時々ドキッとするけれど、しぐさや表情まで、昔の私そのまま。
会ってもらいたいなと思います。
おばさんが仕事をしていたお店に行って、一緒に散歩しながら帰った頃の私を思い出してもらえるかもしれない。
両親やひんぱんに会っていたおばあちゃんより、ずっとお姉さんあつかいしてもらえたのがうれしかったこと、私は今でもはっきり覚えています。
残念ながら娘には、私にとってのおばさんのような大人が近くにいないけど、会って少しでも話せたら、昔の話をしてあげられるのになと思います。
お正月におばあちゃんともゆっくりできたから、そんなことも考えていました。
とは言ってものんびりできる時間はあっという間で、明日からはお正月ごときでは疲れもせずに、はしゃいだ子どもたちを学校におくりだします。
だからせめて7日の夜は、やさしい七草粥でお正月がんばった自分をいたわろうかな。
なんて言ってたら、お母さんには「寝正月だったくせに何言ってるの!」って叱られそうだけど…。
バタバタと学校にむけた準備をしていたら、外の空気がとても冷たくなっていました。
暦では小寒。
寒の入りを迎えてこれからぐっと冷えてきそうです。
暖冬だとは言っても、1月2月の寒さはやっぱり特別。
くれぐれも体を大切にお過ごしくださいね。
昔からこの季節、受験だの進学だのに追われ、自由な時間の少なかった私に、おばあちゃんが見せてくれた写真。
梅に桃に桜、おばさんやおばあちゃんたちが、あちこち出かけて分けてくれた花の季節もすぐそこです。
今年もおばさんに、ステキな春が訪れるよう、遠い場所からだけど願っています。
またお手紙書きますね。
ハナコ
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お年賀や、寒中見舞いのこと
松の内と言われる7日までに到着するのであれば、お年賀にそえても、それ以降であれば、寒中見舞いとしても違和感のない手紙です。
ただ形式的な年賀状をたくさん受けとったであろうお正月のあとなので、親密さを感じられる内容を意識しました。
おばあちゃん同様、元気で楽しくすごしてほしい。
思い出話や、春を意識した結びには、そんな気持ちをこめました。
大切な人に、あたたかな春がやってきますように。
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