なつかしい友人との再会~うどんやの前でつかまえて~
ハンバートさんに会いにやって来ました。
※ この日までのお話はこちらで
待ち合わせは空港の到着ロビー。
なぜなら方向オンチの彼女は、ゲートを出るなりさまようからです。
目的地も方向もわかっていないのに、なぜか信念があるかのように歩くので、出てきた瞬間つかまえなければ会えそうにありません。
しかたがないので旅にも出ないのに空港へ出向き、捕獲することにしました。
予定より20分ほど遅れて到着した飛行機。
あんたは一人旅か、とつっこみたくなるようなのんびり感をかもしながら到着ゲートにあらわれた友人。
すぐに私を探すだろう、と思って近づきながら見ていると、なにやらうどんやの看板の前へ…
え?
待ち合わせしてるのに、うどん食べようとしてるの?
慌ててかけより肩をたたくと、偶然知人に会ったような驚いた顔をしています。
これは彼女より1時間ちょっと早くついた私から、バイバイした後の彼女に読んでもらうための手紙です。
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ホントはなに考えてた?
おはよう、昨日はよく眠れた?
枕が変わると眠れないと言いながら、どこでも熟睡するあなたなので、きっと口では寝ていないといいながら、眠れたことと思います。
それにしても昨日のあなたの変わらなさ。
てっきり遠くから見つけてうれしそうな顔でもしてくれるのかと思いきや、フラフラとうどんやへ入って行こうとしたのには驚かされました。
なにかおかしなことはやるだろうと思っていたけれど、まさかゲートを出るなりやるとは。
思わず「お昼をすませてから会おう。」なんて約束でもしたかと、必死で記憶をまき戻したくらいです。
それでもなんとかうどんやの前をはなれ、やっと気がつくかと思ったら、今度はあらぬ方向へ。
「ハナコに電話しようとしてたんだよ。」なんて言ってたけど、だったらどうして呼びとめた時、まるで偶然知人に会ったような顔をしてたのか。
目の前にいるはずのあなたに、なぞは深まるばかりです。
ともあれ、無事に会えてよかった。
そのあとおしゃべりに夢中で聞きそびれたけど、あのとき、うどん食べようかって本気で思ってたの?
期待をうらぎらない登場をはたしたあなたは、1年も会っていなかったようには思えませんでした。
まるで毎日会ってるみたいなおしゃべりが楽しくて、あっという間に帰る時間。
お別れのその時まで楽しかった。
「また明日ね。」といいあった昔のように、「また会おうね。」と笑っていえた自分を、私はひそかに誇らしく思っています。
本当は一緒にいた時間が楽しくて、こんなに気のあうあなたはもういないんだと思ったら、ひとりになったホームで泣きそうになった。
でもきっとあなたは、もう明日のライブのことで頭いっぱいだろうな、と思ったら、1人で泣くのがバカらしくなってやめました。
そうだった。
あなたは後ろ髪を引かれるような人じゃなかった。
うっかり涙ぐんでしまった自分を笑いとばして、私もハンバートさんにもらったはすかっぷ味の水をのみながら帰りました。
お互いがんばろうね。
そしてまた、来年会おうね。
ハナコ
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別れをおしんだりしない
子どもの頃、遊園地からの帰りがとてもさびしかったように、大好きな友人と過ごした一日のおわりは、とてもつらいものでした。
そういえば私、去年も半べそかきながら帰ったな。
いらないことまで思い出しながら、ハンバートさんを見送ったホームで歯を食いしばっていました。
きっと今頃ハンバートさんも。
私とすごした楽しい時間を思い出してせつなく…なってなさそう。
そこまで考えて、私は1人で感傷にひたっていることに気がつきました。
もともとハンバートさんの今回の旅のメインは、次の日のライブ。
きっと私と別れたらすぐ頭は音楽でいっぱいになって、ライブのことばかり考えているはずです。
だよなぁ。
そう思ったら、さびしがっているのがバカバカしくなりました。
一緒にさびしがってほしかったのではありません。
私たちはおたがいがんばって、また会おうと話したばかり。
なにもできなくても、ずっと応援してるよと誓ったばかり。
言葉どおり、彼女はスタートしたのです。
だから私も、もう立ち止まったりしません。
いつか彼女が成功への道をまっすぐ歩きはじめたら、彼女を文章で飾るのは私だと勝手に決めています。
そのとき私は、彼女の最高のメイクアップアーティストになれるように、腕をみがくと決めたのです。
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再会のつづき
再会したときのことも書きました。
この時、ハンバートさんがくれた時期はずれの誕生日プレゼント。
意外なチョイスに、こめられた思いを感じます。
あなたが私にくれたもの~友人からのプレゼントへのお礼の手紙~
笑いあり、サプライズありの楽しい時間でした。