伝えそびれたバレンタイン~仕切り直しのホワイトデー~

バレンタインチョコレートを渡しそびれました。

直前まで覚えていたのに、「まだ大丈夫。」はやっぱり全然大丈夫じゃなかった。

こちらは仮想ラブレターではなく、リアルなバレンタインの話です。

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お相手は長年親しくしている友人。

日ごろの感謝と尊敬の気持ちをこめて、かなり本気でプレゼントするつもりでいたのです。

お互い結婚していても、チャーミングなおつき合いをして下さる方なので、ハナコは大好きなのですが…

「もちろん本命ですよ!」なんてセリフまで考えていたというのに、気がついたら15日。

本命だったら忘れないだろ!と自分につっこみながら、情けない気持ちでいっぱいです。

この失態は、挽回できるでしょうか。

いえ、しなければなりません。

お手紙のプロになるために…

 

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チャンスをもう一度

マサユキさん

あろうことか、バレンタインを逃してしまいました。

年に一度の、告白のチャンスだったのに。

14日に渡すプレゼントを用意して、セリフまで考えていたんです。

「意外と本気なんですよ。」とか。

「本命はいつだってマサユキさんです。」とか。

15日になって、なにもかも輝きをうしなっていることに気がついて、立ち直れませんでした。

だからホワイトデーの今日、もう一度マサユキさんに思いを伝えるチャンスをください。

大切な人に思いを伝える一日の再来。

私はそんなつもりでマサユキさんにメッセージを贈ります。

とは言いつつ、仕切り直しだと意気込んだことで、かなりハードルを上げてしまったなとトホホな気持ちでもいます。

けど、たとえバレンタインが終わってしまっても、どうしても伝えたかったこの気持ち。

届けるまでは黙っていられないのです。

それは「楽しいと言ってくれてありがとう」。

私たちはお互いが既婚者であることから、お友達がはじまりました。

当然ながらそこにはしかるべき遠慮と、こえられない壁がありました。

あると信じていた、というのが正しいかもしれません。

結婚していない人間どうしであれば言えたことや、笑いあえたことが生まれないまま消えました。

私はいつも無難な言葉をえらび、あいまいに笑いながら情けない気持ちでいました。

そんな自分は、だれよりも私自身が好きになれませんでした。

女友達の話には声を上げて笑い、じっと話に聞き入った。

けれどマサユキさんのことを見つめてはいけない気がしていたし、存在をアピールするかのような笑顔はむけられませんでした。

やましい気持ちはなかった。

けれど私はこの「好意」という感情を、どうやって表現すればいいかわかりませんでした。

そんなことが続いても、マサユキさんは距離をおくことも、遠慮することもなく、いつも私に普通にきちんと話をしてくれた。

そして「ハナコさんと話すの、楽しいですよ。」と言ってくれました。

その時に、「楽しいから話す。」それだけでいいんだと思えたのです。

結婚しているとか、恋愛感情があるとかないとか。

そんなどうしようもないあれこれが、すっと消えた瞬間でした。

あの時から私は、家族のことも自分のことも、よろこびも悩みも、いろんなことをマサユキさんに話しながら、いつも楽しい気持ちでいます。

そしてなにもためらうことなく、マサユキさんのことが大好きです。

たて続けに子どもたちの体調不良が続き、髪をふり乱していたら、乙女のバレンタインが過ぎ去っていました。

それでもやっぱりマサユキさんが好きなので、さっぱりと顔を洗って、身支度ととのえてやってきました。

カラフルとはいえ情熱一辺倒のバレンタインよりも、なんだか毒気の抜けた白いホワイトデーの方が、私の大好きにふさわしいなんて負けおしみに聞こえてしまいますか?

それでもこんなまっ白な温度のない気持ちで、私はマサユキさんが大好きです。

こんなことが言えてしまうあたり、悪い意味での年の功なんじゃないかとか、さっぱりしすぎておばさんくさいとか、内心チマチマ悩んではいます。

けれどそれでも、大好きと言えてうれしいから伝えます。

これからもいろんな話をしてくださいね。

マサユキさんとの楽しい時間が、これからもたくさんありますように!

 

ハナコ

 

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年甲斐もなく、立場も忘れ

最近読んだ対談の中で、日本人は古くなった制度にしばられすぎている、といった話がありました。

 

 

結婚制度についてもしかり。

実はハナコも、離婚願望はありませんが、結婚制度は人間の感情に合わない制度だと思っています。

結婚して家族になったことで恋愛感情以外の気持ちが生まれ、そのことで生まれる家庭や子どもは、制度によって守られるべきなのかもしれません。

ただそれによって、他の人に感じるポジティブな感情さえも、押しこめてしまうのは無理があるような気がするのです。

現にハナコは、魅力的な人だと言われたら、天にも昇るほど幸せな気持ちになります。

けどそれを夫以外の男性に言われて舞い上がっているからといって、やましい気持ちにならなければならいのか、と思うのです。

白い好意は感情を全開にして伝えるべきだと思う。

大好きな人たちに手紙を書いているうち、ハナコはそんなふうに思うようになりました。

自分なら?

どんなによく知った人でも、もちろん同性でも、親子でも、あなたが好きだ、なんて言われたら、うれしくて泣いてしまうかもしれない。

それなのになんで言わないんだろう。

言えなくなっているんだろう。

これからは、そんな大好きを言葉にできる手紙を書きたい。

一通の手紙は一人しか幸せにできないかもしれないけれど、その人だけは、全力で幸せにしよう。

バレンタインの失敗は、タダではすませないぞ、と決意をあらたにした仕切り直しのホワイトデーでした。

あっ… ハナコのこと好きかどうか、お返事もらえないのかな…。  

 

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