いよいよ迎える寒の入り~小寒におばあちゃんを思う手紙~

1月6日は小寒、いよいよ寒の入りを迎えます。

朝晩の冷え込みだけでなく、最高気温も上がらない本格的な冬の到来。

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にぎやかなお正月も終わり、おばあちゃんはさびしがっていないでしょうか?

お正月の非日常な騒々しさに疲れはしても、ひとり身にこの寒さはつらいはずです。

一緒にすごせた時間を思い出し、楽しい気持ちになってもらえるような手紙を書きました。

 

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お正月、みんなで会えてよかったね。

おばあちゃん

にぎやかだったお正月の疲れは残っていませんか?

今年もみんなで集まれてよかったね。

おばあちゃんの元気な顔が見れてホッとしました。

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おばあちゃんが作ってくれたおせちのお煮しめも、とってもおいしかった。

30日からていねいに、野菜を一種類ずつ煮ていた台所を思い出しました。

だし汁とおもちの焼ける匂い。

きちんと冷まして詰めてあるお重からそんな匂いがするはずないのに、ふんわりと香りがしたような気がしました。

来年も楽しみにしてるね。

子どもたちはもらったお年玉で何を買おうか、毎日あれこれ相談しています。

すぐに使わなくても、大切にとっておけばいいんだよって言ったけど、突然やってきた可能性にまい上がっているみたい。

前から欲しかったけど、サンタさんにはリクエストできなかったあれこれに頭をなやませています。

おせちをかこんだ楽しい時間と、その後も続くワクワクをありがとう。

帰りの車の中では、もらったお菓子をうれしそうに食べていました。

大切に思ってくれる人がここにも。

子どもたちにとっても、ひいばあちゃんはかけがえのない存在です。

昔おばあちゃんに教えてもらった七草の日は明日。

くり返し続いたごちそうはひとまずおしまいにして、おなかも休めてくださいね。

3が日が終わっても、お煮しめはおなかにやさしくて、白いごはんのおかずに何度も頂きました。

私はそれですっかり落ち着いたけど、明日はせっかくなので七草がゆを作って、子どもたちに教えてやりたいと思っています。

せり、なずな…と何度も練習した七草。

指をななつ折りながら、おばあちゃんと向かい合って数えたのはいくつの時だっけ?

娘たちがあの頃の自分をもう超えてしまったことを思うと、私は大切に育てられたとありがたい気持ちでいます。

今日は小寒。

いよいよ寒の入りです。

これから春までもうしばらく、寒さの厳しい季節が続きます。

お買い物もあるだろうけど、くれぐれも無理をしないで下さいね。

子どもたちが春休みに入る3月には、またみんなで帰ります。

今年は暖冬だから、桜が咲いているかもしれないね。

そしたらお花見に行きましょう。

京都までは遠くても、車で行ける場所を探しておくからね。

近くでなら、ゆっくりお昼も食べれそう。

桜を見ながらお寿司もいいな、なんて頭の中は花から団子。

楽しみがふえました。

今年もいいことがたくさんあるように、初詣でもお祈りしてきます。

おばあちゃんも元気でいて下さいね

 

ハナコ

 

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年だから、しかたないとわかっていても

久しぶりに会った祖母は、さらに足の力が弱くなっていました。

60代で骨粗しょう症と診断されるなど、外食が多く、運動不足だったこれまでの生活が、加齢とともに体に負担をかけていることは知っていました。

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転びやすくなり、背中も丸くなりました。

背筋をピンと伸ばし、はつらつと仕事をしていた頃の面影はもうありません。

それでもなんとなく、気の強い祖母のこと、まだまだ元気だと甘く考えてもいました。

けれどわずかな階段をのぼるのにも苦しそうにしているのを見ると、時間はとまらないのだと、わかっていても寂しい気持ちになりました。

離れて暮らす母方の祖母に、結婚して幼い子どものいるハナコができることはほとんどありません。

ささやかなおみやげを用意して、にぎやかな子どもたちをつれて会いに行くだけが精一杯。

あの足では、昔のように桜に紅葉にと、京都や奈良にひんぱんに出かけることだって難しいはずです。

ならせめて、昔の話やお正月に会った時のこと、これからやって来る楽しい季節のことを考えて、明るい気持ちでいてほしい。

これからは、もっと細やかに季節の便りを送ろうと思っています。

 

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祖母から受け継いだ七草のこと

母は毎年七草がゆを作り、季節の節目を大切にしてくれていました。

ですが辛抱づよく、7種類の植物の名前を覚えるのにつきあってくれたのは祖母でした。

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せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ、これぞ七草。

何度もつまずきながらくりかえし覚えたことは、祖母との大切な思い出です。

おそらく子どもたちは、七草の入ったおかゆが苦手です。

若くて元気な胃腸は、七草がゆを食べなくたって平気です。

それでも「ひいばあちゃんが昔ね…」と話したら、きっと目をキラキラさせて一緒にくりかえしてくれるはずです。

あの頃の私がそうだったように、七草を覚えたことが誇らしくて。

この季節が自分のものになったような気がするはずです。

伝えていくというのはそういうこと。

どれだけ祖母が弱っても、記憶は伝えるたびに新鮮なものとして誰かの心に息づいていく。

だから七草がゆはやめません。

義務ではなく、じんわり炊くことを楽しめたら、単純な文化の継承ではなく、家族の思い出になるような気がしています。

七草は気持ち程度に入れて、後はお好みのトッピング。

中華がゆが好きなハナコは、鶏だしではなくても、ザーサイや落花生が大好きです。

大切なことは守りながら、それぞれの七草がゆを楽しみたい寒の入りです。

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